一切の妥協を許さない男・植松真二さんのさくらんぼ
山形県には1万戸以上のさくらんぼ農家がいます。その中で、ダントツに素敵なのが、東根市の植松真二さんです。
ルックスは、ドレッドヘアーに真っ黄色のTシャツ、緑の短パン、赤・黄・緑のブレスレット。連日の農作業で日焼けした肌は褐色で、どう見ても南米のレゲエミュージシャンです。白状すると、初対面の時には「この人がさくらんぼ農家だなんて本当?」と思いました。いや、せめて、チェリーじゃなくてコーヒーチェリーじゃないのかと。
けれど、そんな印象を覆したのは、彼がFacebookにアップした、一枚の写真でした。
彼は、真冬のさくらんぼ園で、さくらんぼの樹にキスをしていました。
話を聞いてみたい。すぐにアポを取り、園地を訪れました。すると、飛び出してくる「こだわり」の数々。驚きました。
・樹と対話して、一本一本のコンディションに合わせて剪定や肥料をコントロールする
・土壌改良のために天然のミネラルや、自家培養した善玉菌を散布する
・たくさんの実をならすよりも、樹が元気にさせて、最高においしい実をならせる などなど。
「実」を食べる野菜や果物って、樹が元気じゃない方が、実がたくさんなります。自分が元気ではないから、少しでも多くの子孫を残そうとします。だけど、植松さんは、その逆を行きます。理由はシンプル。その方が、樹が喜ぶから。
農薬の使用回数も、年に数回。びっくりするほど少ないです。化学肥料や除草剤は使っていません。その分、手間暇をたくさんかけています。土壌改良のための善玉菌を自分たちで培養したり。
費用対効果を考えたら、どれもトンデモナイことです。でも、植松さんはやっちゃいます。「たっぷり愛情を注いでやれば、果物はそれに応えてくれる。だから最大限に手間ひまをかけて愛情を注いでやるんです」と言いながら。
そして、株式会社松栗は、地域の耕作放棄地を借り受けて、さくらんぼの樹々を再生しています。
耕作放棄地の果樹の再生って、大変なんです。捨て猫を飼うのと近いです。前の園主がつけたクセもあるし、さくらんぼって、実を収穫しないだけでダメージを受けてしまいます。1年放棄されたらもうボロボロになってしまいます。
けれど植松さんは、あえてそんな園地をフィールドにします。私は、どうしてそんな大変なことを、敢えて行うんですか?と尋ねました。そうしたら、植松さんは答えてくれました。
「土地の先人たちが植えてくれた果樹。ここまで守ってきた人たちの想いも思い出もつまっています。それを伐らせたくはないんです」と。はにかみ笑いを浮かべながら。
こんな植松さんの噂を聞きつけて、「うちの園を継いでほしい」と訪ねてきた人は3年間で24人もいたそうです。そして、よほど遠い場所でない限り、植松さんはすべて引き受けました。
東根から天童、河北町に点在する園地を手入れするのは大変ですが、松栗の皆さんは訪れるといつも笑顔で迎えてくれます。自分たちのしていることに、誇りを持っているからです。
そんな株式会社松栗の合言葉は「果樹&ピース」。どこまでもピースフルで、とても信念の強い人たちです。去年、山形食べる通信の発送を手伝いに来た東根の友人は、植松さんの魅力にノックアウトされ、今年は何と!松栗のスタッフになっています(笑)。そのくらい、本当に素敵な方々なのです。
ちなみに。先日行われた東根市の品評会で最高賞に輝きました。名実ともに最高のさくらんぼです。
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深い愛情そのもののように、色も味もとっても濃い、植松さんのさくらんぼ。「山形食べる通信」のバックナンバー(2016年6月号)付きでお届けします。
●佐藤錦(超特秀)3L〜2Lサイズ たっぷり1kg 送料込で12,000円(常温便)
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お申し込みは6/25(日)です。
松栗のさくらんぼを食べる人が増えて、松栗のスタッフが増えれば、園主が高齢化して引退したさくらんぼ園の引き継ぎ手が増えます。山形食べる通信は全力で応援したいと思っています。
ちなみに、元気な樹のさくらんぼは軸が短くて太いのが特徴です。ぜひお手にとって確かめてください。
収穫は、味が乗って本当においしくなってから行うので、到着日の指定は受け付けることができません。発送日にはご連絡をします。また、時間帯の指定は承ります。
その代わり、最高のさくらんぼをお届けします。
ご希望の方は、山形食べるストアへ。
よろしくお願いいたします。
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